カフェパウゼをあなたと

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二年半余りを振り返って(その4) 実務系科目と団体法の古典の狭間で

ご無沙汰してますKaffeepauseです。引っ越してネット環境を構築するまでに時間がかかってしまいました。やっぱりパソコンから書き込めるのはいいですね(汗)。

さて、途中で頓挫した感もないではないですが、時系列編のつづき、今度はローの2学期目です。
この冬学期は怒涛のごとく過ぎ去ります。
いよいよローの真髄のひとつである実務系科目が二つ、
刑法や商法も黙っておらず、(注:このふたつ、Kaffeepauseは大の苦手)
まして自分の「専門」であるところの行政法もあり、
そして週の終わりにはギールケを読むゼミに乱入しました。

実務基礎科目と裁判所見学

この学期では刑事系実務科目と民事系実務科目がありました。
刑事系は、検察・弁護・裁判の3者が交代で教えてくれる構造になっており、同じことを違う立場で見る訓練、手続法は規則がわかってて初めて使えるんだということなど、実に多くのことを教わりました。また、今まで必ずしもきちんとつながってなかった刑法と刑事訴訟法の関係がやっと見えてきました。事案に触れて、どのような訴因として構成すれば起訴しやすいか、公判を維持しやすいかについて考えなければいけない複雑な事件もあったり、また基本的なことですが殺意の認定のことなど、本当に初歩の初歩なんですが…面白かったです。
民事系は、裁判官の教員に要件事実を仕込まれました。軽妙な語り口できついことを言う教官で、いやあ本当にいかに自分が民法わかってないか良くわかりました(汗)。また、この授業で民法の授業で習っていたときの違和感を解消したように思います。時系列を追って進んでいくはずのものなのに、判決読むだけでは最後の部分しかわからないので…。このときに、次の学期でも民事系実務科目は継続して取ることにしよう、と思いました。


また、この二つの実務科目では、希望者に裁判所見学の機会を与えてくれました。私は一つ前の学期にも一度行っていたのですが、実務科目を習いつつ、3度東京地裁にお世話になりました。*1普通に裁判所に出向くのとは違い、ロースクール生には事前・事後に裁判官から事案の説明をしてもらったり、(当事者に許可を取った上で)争点整理を見せていただいたり、裁判官と懇親会で議論したりすることができました。実際に事件にかかわる当事者・弁護士・裁判官・書記官がどのような顔で参加しているのか、そしてどのようなことを考えているのか…これだけでもローの高い学費を払った甲斐がありました。

上級科目・後半

この学期は民法、刑法、商法、行政法がありました。この中で、商法は自分の希望しないクラスにまわされて、周りはツワモノぞろい・・・といつ単位を落としてもおかしくない状態で受講してました。友人に感謝。トップレベルの実務家と商法学の大家という最強タッグだったので、とんでもない授業でした。
刑法は、中間試験をしてくれたおかげで、どれだけ自分がやばいのかわかりました(汗)。また、この先生は私が教えていただいた研究者教員の中で、一番ソクラテスメソッドが上手な方だと思います。
行政法は、まあきちんとやっていたつもりだったんですが、一度大ドジを踏みました…。先生が忘れてくださっていることを切に願ってます(ぇ)。
ただ、民法だけはちょっと毛色が違いましたね…このLSの最大の特徴のひとつなんじゃないでしょうか、民法がレポート科目というのは。3度レポートを書いたんですが、とても「民法を網羅的に」できる授業構成ではありません。むしろ、一番研究者養成っぽい科目でした。先生の好みでもあるかもしれないんですが、従来の判例・学説を批判的に捉えた上で、自説を構築できたものが評点が良かったように思います。このレポート作成の際に、言葉遣いの重要性を学び、「宿題」執筆の際にかなり役に立ったように思います。

隣の専攻に乱入…。

…というように、ただでさえ忙しい学期だったんですが、どうしてもとりたいゼミがあって、隣の専攻のゼミに乱入しました(汗)。いや、夏学期でもかなりきつかったところなのに、本当に無謀だったんですけど…あまりにひどい訳をして先生および先輩は多大なご迷惑を…。でも、会社法を勉強していたおかげで対比をすることが出来たり、学部時代に教会法のゼミに出ていたおかげでそこまで違和感は感じなかったり、一つ前の学期で少なくとも髭文字を文字として認識することは出来ていたので、そういうものの積み重ねの成果を感じたゼミでもありました。

やり残したこと

上記に加えて12月の年末進行なバイトも重なり、本当に辛い時期だったので、当初やろうとしていたことのうち、ひとつやり残してしまったことがありました。それが、「宿題」のテーマ選考。
秋休みに実は一つだけネタを用意して師匠に持っていったときに、「本当にそれでいいのか、他のものも考えてごらん」といわれたんですが、結局日々に忙殺されて他に関心を広げることは出来ず、そのままテーマとなりました。
ただ、この忙しい時期を乗り越えた春休みに、いろいろ研究会に出させていただいた中で、このテーマの重要性をさらに感じる情報をゲットできたりして、結局そのままで行くことになりました。
かなり成り行き任せであり、このことで後にちょっとした苦労をすることになります。

*1:その後、3年次になってからも2度見学に行っている。