カフェパウゼをあなたと

コーヒー片手に語らいを!わたしと、みんなと、そしてあなた自身の過去・未来と。

紫魔道士というセルフイメージ

「ところでさ、RPGの名作、ファイナルファンタジー5(FF5)って覚えているかい」
「なんですか、突然。人生について考えているからって呼び出したんですよね」
「人生について考えていたら、FF5のジョブ/アビリティシステムにいきついたのさ」
「ずいぶんとはまっていたからねえ。たしか、一定のジョブ(職業)でしばらく経験を積むと、手に職がついて、アビリティという能力を使えるようになるんですよね。そして、ジョブを変える、つまり転職した後でも、そのアビリティをくっつけて戦うことができる」
「そうそう、覚えていてくれて嬉しいよ。それでね、20代中盤あたりから、自分が『紫魔道士』だ、ってことに気がついたんだよ」
「え、紫魔道士なんてありましたっけ?」

「ないよ、そんなもの」
「じゃあ、なんで紫?たしか、あったのは、黒魔道士(攻撃魔法)、白魔道士(回復魔法)、時魔道士(時間操作)、召還士(幻獣を呼び出す強い魔法)とかで、あと中途半端な青魔道士と赤魔道士がいたような」
「うん・・・その『中途半端な』青魔道士と赤魔道士も覚えているかい?」
「たしか、青魔道士は、モンスターの攻撃を受けて『ラーニング』した魔法を使える。全ての敵攻撃が覚えられるわけじゃないし、なかなか珍しい種類のも多いから、最初のうちは使いづらいですよね。だから、剣で攻撃させてたなあ。そして、赤魔道士は、黒魔法も白魔法も剣での攻撃もできるけど、黒魔道士や白魔道士は最高レベルLv.6の魔法まで使えるのに、赤魔道士はLv.3までしか使えない。剣だって、ナイトなどの専門職にはかなわない。だから後半どんどん強い魔法が使えるようになると、使わなかったなあ」
「なんか、大事なこと忘れてないか」
「ああ、そうだ、赤魔道士は、最後まで頑張って鍛えると『れんぞくま』が使える。一ターンで二回魔法が唱えられるから、重宝するけど、そこまでいくのが大変なんですよね」
「君はあまり気に入らなかったみたいだね。まあいいや。とにかく、私は紫魔道士なんだよ」

「・・・ええっと、色としては青+赤で紫、ってことですか」
「そうそう。実社会での役割とか今まで得てきたものについて考えたとき、紫なんだなあって」
「ああ、そういえば、昔、『刑事法は黒、民事法は白だとすると、ロースクール生って赤魔道士だよな』とかわけわかんないこと言ってましたね」
「そうそう。ロースクールはあくまで途中まで。いろいろ学べるけど、そのままじゃ社会で専門家にかなわない」
「ジョブチェンジしていかなきゃいけないって話でしたね。結局、何にジョブチェンジしたんですか」
「青魔道士。私がやってる分野は、個別法の世界でぶちのめされたのをラーニングして、総論や訴訟法に生かす仕組みだから、なんとなく似てるだろう」
「ああ、だから最初はとっつきにくくて使いにくい!・・・たしかにぴったりですね」
「う、うるさいなあ。とにかく、ラーニングを繰り返して強くなっていくしか無いんだ。青魔道士が覚える魔法のなかには、白魔法や黒魔法にないすばらしい魔法もあっただろう?」
「・・・それじゃあ、すごい青魔法、覚えられたんですか。ホワイトウインドとかマイティガードとか、自爆とか」
「最後だけ物騒だな。まだ、だよ。今練り上げているところ」

「それじゃあ、赤魔道士の部分は使ってないじゃないですか」
「いや、結構使うんだ。赤魔道士が覚えるアビリティの『しろくろま』って、一つのアビリティで2系統の魔法が使えるだろう」
「ああ、ローを出てると、いろいろな分野がわかってるっていうのはありますね」
「それをくっつけている気分なんだよ。そして、青魔法の研究が一段落したから、最近一ヶ月はまた赤魔道士な気分に戻っている」
「え、ローやりなおし・・・」
「ちがうよ。総合的な観点からの活動も結構やってるんだ。仕事だけじゃなく、ブログとか、ごにょごにょ(以下検閲削除)。まあ、また青魔道士としての仕事が忙しくなってきたから、そろそろ戻らないといけないけどね」

「こそこそ、いろいろとやってるのはなんとなくわかりましたよ。でも、無駄なんじゃないですか。一応、『しろくろま』はLv.3までとったんでしょう?」
「まあ司法試験は受からなかったけどね。でも、この先にはきっと、『れんぞくま』がある」
「現実はターンバトルじゃあありませんよ、何言ってるんですか」
「いや、『しろくろま』とは別系統のとんでもない可能性だってことだよ。なんで、赤魔道士が『れんぞくま』を覚えられるのか、考えたことはないかい?」
「そういや、『れんぞくま』って、ほかのアビリティで自分が使える状態になっていれば、Lv.6の白黒魔法でも青魔法でも召喚魔法でも時魔法でも二連続の選択肢にいれることができましたね。だから何?」
「まあ焦らないで。こう考えたんだよ、何でも中途半端にやってきた赤魔道士は、それだけ、色々なことに通じている。それを突き詰めると、全然別の可能性を開くことが出来たんだって」
「なんかご都合主義ですね」
「それは現実においては何かな、って考えたら、ああ、全然別の専門性に対しての態度や影響力なんじゃないかなって考えたんだ」

「まだわかりません」
「青魔道士としての修業をしてから赤魔道士時代のことを思い出すとね、ああこの道はこう繋がっていたんだ、これについてはアノ専門家を呼べば良いんだとか、わかってくるんだ。自分も一応専門家の卵・・・ひよこぐらいになったからかな。他の専門家がこだわるところや、逆に見えていないところを想像できるようになった。軽蔑とか、差別意識なしにね。お互いの専門を尊重しながら、でも、わからないことはわからないから、どうぞ教えてくださいって、言えるようになったんだ」
「まあ、相手も青魔法のことがわからなかったら聞いてくると思うし」
「そういうこと。相互にプロだからこそ、壁になることもあるけど、『しろくろま』を持っているから、途中まではわかる。その先を、誠意をもって聞けばいいんだ」

「だから、紫魔道士なんですね。しかし、中途半端なもの二つを極めて、何か生み出せるんですか?確かに可能性としては面白いけど、その先には何があるんです?八方美人?虻蜂取らず?」
「手厳しいなあ。たしかに、自分のミッションはみえてきたんだけど、何が生まれるか、何を生み出せるかについては全くノープランなんだ」
「この企画のイラストも描けなかったですもんね」
「そうそう。やっぱこれはプロの仕事だ。友人のなかで、イラストが得意な人、できればFF5を知っている人に、頼むしか無いな」

・・・脳内会話が長くなりました。だれか、イラストをお願いします。
ときには昔やったゲームで人生観を考えてみてもいいじゃない。そんな気持ちでカフェパウゼを。