カフェパウゼをあなたと

コーヒー片手に語らいを!わたしと、みんなと、そしてあなた自身の過去・未来と。

教える側にたって気がついたこと~「ぱうぜセンセのコメントボックス」の舞台裏

もうすぐ最初の学期が終わります

しばらく更新が途絶えていましたが、教壇に立ってから早5ヶ月、もうすぐ最初の学期が終わります。
講義準備に追われる日々で、その合間を縫って論文を書き、そして「アシタノレシピ」での連載を更新していたので、どうにも本丸の「カフェパウゼをあなたと」を放置気味になっていました。
ぱうぜセンセのコメントボックス
早いものでもう第9回までいきました


「あなたと」の読者の皆様には申し訳ないことですが、ここらでひとつ、「ぱうぜセンセのコメントボックス」(以下、「ぱうコメ」と略します)での狙いと、第9回までに書いたことの振り返りをしてみたいと思います。

教えることは学ぶこと

「教えることは学ぶこと」ということわざを耳にしたことがある方も多いと思います。これは、実感してみるとまさにその通りで、教える立場になると実に様々な気づきがあるのです。
問題は、この「教える側にたったときに気がついたこと」をどのように「教える」か。教える側が、教えるときに実は教わっているのだということと、学んだ内容を嫌みのないように放流するにはどうしたらいいか。それを考えた結果が、「ぱうコメ」の形式でした。

対話文における「ぱうぜセンセ」と学生たちの立ち位置

「ぱうコメ」における編集方針は「差し支えがない範囲では実話ベース」というものです。ですから、「ぱうぜセンセ」が言っていること、考えていることはほとんどそのまま実の私であります。学生側のコメントや考えは、学生に確認したこともあれば、想定問答のこともありますが、あまり現実とは乖離しないようにしています。もちろん、特定個人に結びつかないよう、かなりの人数をまぜまぜしているんですが。
なお、「ぱうぜ先生」と書かれることがあるんですが、自分で自分のことを「先生」と書くのもなんだか気恥ずかしいし傲慢なので、「センセ」とカタカナ表記させていただいております。

学生への告知

また、学生には、「貴方からいただいた質問のうち、場合によってはブログ等のネタとして使うことがあるかも知れない。それは、将来の学生や、ブログを見ている他の人に役に立つと思うような使い方をします。もし、相談する内容で二次利用されたくない場合は、その旨をきちんと言ってください」と伝えてあります。また、実際に使いたい質問があったときには、そのときに学生に許可を求めています。
こうすることで、「こんな質問、くだらないような気がするけど…聞いて良いのかな」と迷っている学生に、「もしかしたら同じように悩んでいる人は他にも、またこの先にもいるかもしれない」と背中を押してあげるようにしています。
「貴方の質問に答えるということは、貴方と同じように悩む人にも答えることになる」と。私としても、一旦考えをまとめておけば、同じような質問がきたときに、取り急ぎ答えて、「詳しい話はこのブログで○○と検索すれば出てきます」と誘導できるのです。

教育における「続きはWebで!」の効果?

Webで調べても、出てくる情報と出てこない情報がある。しかし、この種類の悩みだったら、誰かが書いているかも知れない、という勘所というものがあります。私は、その幅を少しでも広げておきたいと考えています。自己の体験を一旦客観視して、Webに放流する。その情報に触れた人が、又違う情報を放流する。この作業に慣れた人は、自分の「ネタ」を昇華して消化する術を身につけてくれるだろう。
…こんなことを、実際に目の前にいる人に伝えるには、「やってみせる」しかないと考えているのです。「悪貨は良貨を駆逐する」かもしれないけれど、良貨を生み出しうる人を広げることはできる、と信じています。教育者という属性は影響力がありすぎるので、押しつけにならないように、しかし新鮮な驚きとして、見せたいと考えているところです。

「あなたと」の位置づけ

さて、それではこのブログ「カフェパウゼをあなたと」(以下、「あなたと」とします)との関係はどう考えているのか。それは、「あなたと」は「思い立ったが吉日、の思考ノート」です。そして、授業や「ぱうコメ」でも、よく「元ネタ参照元」になっています。

授業における「ブレイクタイム」

今学期担当した授業のひとつは、2時限連続講義でした。午前8時50分から、90分×2で12時まで…これは、聞いている学生もしゃべっている私も疲れます。そこで、2時限目の30分経過後~45分あたりに、「ブレイクタイム」という時間をとっていました。その間、学生は寝ていてもいいし、手を止めても良い、というわけです。
そこでは、手帳やメモ、ノート、そしてGTDなど、自分が大学卒業後から博論執筆までに試行錯誤した内容を、毎回5分だけしゃべるということにしていました。
もちろん、5分では語りきれないし、授業準備でへとへとのときに追加の資料を作るわけにもいかない。そこで、基本的には「あなたと」で記事化したものから選定し、「続きはWebで!」としたわけです。
これは概ね好評でしたので、90分授業になる来年度以降も授業内容を遮らない範囲で取り入れようと考えているところです。これも、「あなたと」の積み重ねが無ければできないことでした。
今後、「ぱうコメ」はより学生目線で作られたコンテンツとして、有力なコンテンツとなりそうです。

教えることができる学生はほんの一部だけど

自分の授業に興味を持って選んでくれる学生はほんの一握りですが、コンテンツとして公開すれば、「あの先生、こんなの書いてるよ」という形で他の授業を受けている学生に回してくれるかもしれない。また、1年生のときには接することができなくても、2年時に接する学生にも、基礎的なレポートの書き方等を伝えられるかも知れない。
もちろん、質問があればWebでもリアルでも、ヨリ適切な方で質問してくれればいい。
こうやって、まぜこぜにすることで生まれる相乗効果を期待しています。

「どうせやるなら二毛作」時間とレイヤーの複数掛けを目指すために - カフェパウゼをあなたと
座右の銘を遂行していきます

今日もあなたと二毛作。未来の学生にも贈りものを、という気持ちで。
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