文章の見直しのために「対話誘発シート」を作ろう
書くのも大変だけど読み返すのも大変
長い論文は読み返すのも一苦労。
それが自分が書いた物であっても、否、自分が書いた物だからなおさら。
・・・私の目の前に、約21万字、A4版で200頁弱の文章があります。
これ、9月末に母校に提出した学位請求論文です。
1ヶ月半たって、色々発散し、議論して、ようやく客観視できるようになりました。
公開は別の形になるので、これからリライトです。・・・しかし、このまま何も手がかりなしに取り組むのでは正直しんどい。そこで、今回はコメントを生かして見直し・書き直しを進めるための「対話誘発シート」の作り方をお伝えします。実際に、3月時点での論文を4月に書き直すために使った手法です。
実はすでに映り込んでいた
みなさん、覚えていらっしゃいますでしょうか、以前、私の机の写真左側に写り込んでいたシート。
理想のコックピットを作ろう - カフェパウゼをあなたと
これが、今回ご紹介する対話誘発シートです。エクセルで作成して、プリントアウトして、更に手書きで書き込む作業をしているところですね。ただ、これをそのままお見せするわけにはいきません。
・・・そこで、今回のお題は・・・
謎の脳内会話を素材にします
昨日のエントリ(紫魔道士というセルフイメージ - カフェパウゼをあなたと)で、謎の脳内会話をお送りしました。
これ、脳内での会話なんですが、なんだか弱気な「先輩」と強気の「後輩」のやりとりみたいですね。
そこで、先輩が主張する「私は紫魔道士なのだ」という意見に、後輩が突っ込みを入れているという形だと読むことにしましょう。
先輩は、この後更に考え続けるため、議論をブラッシュアップするために、対話誘発シートをつくりました。
以下、一緒に作り方と項目を見ていきましょう。
対話誘発シートの作り方
まずはコメントをもらう
議論をかたちにしたら、まずは読んでもらって、コメントをもらいましょう。
長い文章ですので付箋に貼り付けてもらったり、Wordのコメント機能で書いてもらったり、様々な方法でかたちにしましょう。
コメントを自分なりにまとめる
よくわからない部分やはっきりしないコメントは質問するなどして、意義をつかみます。そのうえで、「どんなことに対するコメントなのか」「どこの部分が問題か」「どうしたらいいか」を考えながら、コメントをまとめてみます。
シートの枠組みにはめこんでみる
それらの作業が済んだら、以下の項目にあてはめてみます。
対話誘発シートの項目
通し番号
エクセルを使う理由その1。通し番号を打つのが簡単です。あとあと手書きノートに転記したりするときの便宜のために、必ず通し番号を打っておきましょう。なお、私はコメントいただいた人の頭文字+番号という形にしています。上記の例では脳内「後輩」からもらったということで、Kになっています。
何/どこについて?
ここでは、コメントがどの部分についてなのかを記入します。長い文章の場合、どこについてのコメントかをはっきりさせておくと後々便利です。私の論文用では第1章とか表現とか全体とか、そういうざっくりとしたタグのようにしています。今日は第1章についてだけ考え直すよ、というときにフィルタをかけるためです。これが、エクセルを使う理由その2。
誰から
コメントをいただいた人の名前を書きます。まあ、自分から、ということもありえますよね。
コメント内容
ここはポイントを突く質問になるようにリライトしましょう。
自分の現時点での考え
ここは既に研究会ノートの取り方でもお伝えしたとおり、いただいたコメントに対する現時点での考えを書き込むスペースです。納得したり、反発したり、いろいろあるでしょう。素直に書きましょう。
さらにやるべきこと
次にやるべき事が明確になっていれば、それを書きましょう。ええ、さっさと「青魔法」完成させなきゃ・・・。
[未来日付]での意見、状態
最後に、この先どんどん右に伸びていきます。一定程度書き直して、立ち止まるタイミングで、もう一度埋めてみましょう。
実は元ネタは・・・
「研究会ノート」のデジタル版
察しの良い方は既に気づいたかもしれません。この方法、先に紹介した研究会ノート(質問や振り返りを助ける「研究会ノート」の取り方 - カフェパウゼをあなたと)のデジタル版です。自分の考えを、時間ごとに、どんどん横に延ばしていけば良いんです。
一覧性が増しますし、並び替えやフィルターも容易です。
もっと遡ると
更に言うと、ロースクールではおなじみのブロックダイアグラムとか、ディベート経験者にはおなじみのフローチャートとかもアイデアの源にあります・・・が、そのあたりは割愛。
他の使い方もたくさんありそう
いずれにしても、起源がいろいろ思いつくということは、使い方も色々ありうるということですね。今回は文章リライトのコメント整理と自分のアイデア促進のために使いましたが、他の活用法も思いついたらぜひ教えてください。Twitter(@kfpause)、フェイスブックページ(「カフェパウゼをあなたと」 | Facebook)、そして当ブログのコメント欄にてお待ちしています。
書いたからにはやらなくては
このあと、今日はお世話になっている先生の講演会出席のために大阪に向かいます。新幹線車内で、この作業をまた行いたいと思います。まずは読み返しか・・・!がんばります。
それでは、対話をどんどん誘発して、精一杯やったあとにおいしいカフェパウゼを。