付箋とほぼ日手帳カズンで「アナログタスクシュート」をやってみよう
ふいに思い出した過去の試み
昨日、はま(@Surf_fish)さんのこんなつぶやきを拾いました。
付箋とほぼ日手帳があれば、アナログタスクシュートができるなぁ。
付箋とほぼ日手帳でアナログタスクシュート・・・あれ、どっかで覚えがある。ああ、これ、3月末の追い込みの時に自分がやっていた方法じゃないか!
冒頭の写真はそのときの記録です。
時間を見積もり、積み上げるタスクシュート
そもそもタスクシュートって?
「ほぼ日手帳もわかる、付箋もわかる。でもタスクシュートって何?」とおっしゃる読者もいらっしゃると思います。タスクシュートとは、「シゴタノ! 仕事を楽しくする研究日誌」を運営する大橋悦夫さんが開発した、タスク管理のためのツールです。現在、有料版のTaskChute2(TC2)と、無料版のTaskChute1(TC1)が提供されています。私も、TC2を愛用しています。
カンタンにいえば、「タスクに掛かる時間を計り、次からは時間を自分で見積もって積み上げていくことで、終了予定時間が一目でわかる」というすぐれものです。やるべき順番に並び替えたりルーチンになっているタスクを繰り返させるのもカンタンですから、パソコンの前に常時居るような職場ではとても重宝します。
冒頭で紹介したツイートの主であるはまさんは、タスクシュートの公認エヴァンジュリストで、ご自身のブログ「はまラボ」にはTC初心者向けの案内もあります。
TC1とTC2の弱点:エクセルマクロはとっつきにくい
TaskChute2の唯一にして最大の弱点は、エクセルのマクロ機能を使って作成されているということです。職場によってはマクロの導入が禁止されているところもありますし、そもそもエクセルなんて見たくもない、さわりたくもないと言う人もいるかもしれません。・・・なにより、子どもに教えるにはちょっと早い気がするんですよね。
そのつまづきを解消して誰にも扱えるようにしたい。それが、アナログでタスクシュートができないかという発想につながるわけです。
付箋でタスクを管理するテンミニッツ
実は、付箋でタスクを管理することに特化した商品が既に売られています。カンミ堂が提供するテンミニッツです。
これは、時間が縦に並ぶバーチカルの目盛りがついたボードと、それに合わせた幅と高さをもった付箋(30分用、60分用、120分用)がセットになっている商品です。とにかくタスクを書き込んでいき、どの時間に何をするかを並び替えることができます。はじめにどの種類の付箋を選ぶかで大まかに掛かる時間を見積もることができます。
もちろん、デジタルなタスクシュートにできるのにアナログではできない点もあります。テンミニッツとタスクシュートの類似性と相違点については既に佐々木正悟さんがお書きになっているのでご参照ください。
シゴタノ! アナログでタスクシュートをやるならこれ
テンミニッツの弱点:スペックが自分の生活にあっていなかった
テンミニッツからも、テンミニッツ手帳という商品が発売されています。公式だけあって、目盛りの幅が適合している便利な手帳です。しかし、私が購入を検討した当時のバージョンでは対応時間が8時から22時でした。(2013年版は7時から24時に改良されたようです。)これでは、早起きして勉強する生活には合いません。5時から使えないとイヤなんです。このブログだって更新時間は5時台が多いんですよ・・・。
もともと手帳に挟み込むタイプも売られていて、そちらは時間を自分で記入できるのでこの問題は発生しません。しかし、こちらだと一週間単位での見積りはできない。ああ困ったなあ・・・。
暫定的な解決策:付箋とほぼ日カズンでアナログタスクシュート
3月末の状況
そこで、話は私の体験談に戻ります。3月末は、提出はできないものの一旦論文を書き上げようということになりまして、ほぼ毎日泊まり込みに近い状態で論文を書いていました。パソコンの画面ばかり見ているのは辛いので、エクセルでのタスクシュートをやめてしまっていました。とはいえ、やることはたくさんあるので、どうしたものかと考えていました。
ほぼ日カズンの週間バーチカルにしっくり来る付箋を探そう
そこで、3月末の私が考えた解決策は、ほぼ日カズンの週間バーチカルを使った方法でした。
実は、ほぼ日カズンの一時間のスペースに、幅と高さがぴったりくる付箋があります。

資料整理などに便利なスリム見出しの混色セット 3M ポストイット スリム見出しミニ 25×7.5mm 混色
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3Mのポストイットスリム見出しミニです。逆に言うと、これ以外の付箋もいろいろ試してみましたが、しっくりきませんでした。
これを、黄色い大きな付箋にいくつか貼り付け、プロジェクトごとにタスクを書き出して、貼り付ける。
終わらなかった場合は翌日に持ち越す。そういうやりかたをしたのが冒頭の写真です。
一時間単位のざっくりとした予定ではありますが、その時間に何をメインで頑張りたいのか、どういう順序で行えば良いかがわかるようになりました。
なぜ続かなかった?
しかし、現在この方法を採っていません。それにはいくつか理由があります。
今の環境ではエクセルが使える
今は職場でも研究室でも自宅でもパソコンの前にいる時間が長く、それぞれをEvernoteを利用して同期しています。
必要があればすぐに開けます。マクロの利用も制限されていません。
やっぱり1分単位で見積もりたい
佐々木さんも述べていますが、エクセルの最大の魅力は1分単位で計算してくれること。テンミニッツ公式でも30分、今回の方法では1時間なので、精度がとても違います。
スリム見出しミニは小さすぎてどっか行きやすい
貼り付けてしまえばどうってことないのですが、実はこのブロックが小さすぎてしょっちゅう無くしてしまうんですよね・・・。
終了時間が正確に見積もれない
最大の難点はこれです。TC2はタスクを記入した瞬間、何時に眠ることができるのかわかるツールです。工夫すれば、家から学校に向かう時間、学校から職場に向かう時間、職場から家に帰る時間、家から再登校する時間、そして帰宅できる時間を全て見ることもできます。これがわからないと回らない生活を4月から9月までやっていましたので、そうなるともう付箋では無理です。
結論:TC初心者の導入としてはとても良いので試してみてください
つらつら書いてしまいましたが、アナログタスクシュートにも魅力はたくさんあります。
テンミニッツでも手帳+付箋でも、
- タスクを書き出す
- タスク毎の掛かる時間を見積もる(訓練をする)
- やるべき時間が決まっているタスクを先に入れる
- タスクの前後関係に応じて並び替える
- 適切な順番通り進める
- 実際にかかった時間と予測との違いを意識する
というタスクシュートの思想を支える要点をしっかりとふまえることができます。タスクシュートはもはやツールの名前をこえて概念に成り果てていまして、これらの大事な要素を意識するだけでも時間に対する考え方が変わります。時間に対する考え方が変わると、あなたの生活は大きく変わります。
テンミニッツもかなり改良が進んでいますし、様々な商品があります。ほぼ日カズンもすばらしい手帳です。さらに、もともとお持ちの手帳を使えば導入コストもそこまでかからないので、皆さん試してみてください。
試してみた感想をこの記事のコメント欄や@kfpauseに送っていただけますと嬉しいです。
時間をやりくりすれば、ゆっくりコーヒーが淹れられますね。
それでは良いカフェパウゼを。